企業が優秀な人材を求めるのは当然としても、具体的にどのようなスキルを有している人物を欲しているのかは、意外に知られていません。それは、業界が異なれば求める人材像が変わるからです。しかしIT化が進みつつある現在、少なくともホワイトカラーでは、各業界に共通する人材像が存在するように思います。それは、課題設定力です。課題設定はAIには不可能な領域であり、高い能力が求められる仕事です。そしてその能力を十分発揮するために必要なスキルが、ビジネス力、データサイエンス、データエンジニアリングの3つです。ビジネス力とは、課題の背景を理解し、その解決に向けて現状を整理する力を言います。データサイエンスとは、統計学やAIの仕組みを理解し、それを道具として役立てる力を指します。データエンジニアリングとは、データサイエンスの成果を利用して、実装するための能力を意味します。さて、産業界はIT化を実現しようと努力しているわけですが、世界のIT化のペースはどのように推移しているのでしょうか。実はITの進化は日々起こっているのですが、その全てが実用化しているわけではなく、いわゆるガートナー曲線を描きます。ガートナー曲線とは、新技術はその誕生時に注目を浴びるものの、有効性が期待ほどでなかった場合、すぐに相手にされなくなり、その後は何とか実用化に漕ぎ着けた技術だけが注目され続けるというものです。この理論に従えば、ITの進化も決して順風満帆ではないと言えます。但し、全体としては滞りなく進化しています。ところでAIは進化のスピードが速いことで知られていますが、こちらは速すぎて実用化を阻むという現象が起きています。新しいアルゴリズムが発表されても、すぐに書き換えられるため、エンジニアでさえ最新のものを追い続けられないのが実情です。裏を返せば、最新の動向を掴んでいるエンジニアは、どの業界からもお声が掛かるということです。優秀な経営者であれば、最新の技術を試す権限をそのエンジニアに与えることで、業界をリードする企業に成長する可能性が高まることを知っているのです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です